高血圧の基準は何？

血液を体中に送り出す時、血管にかかる負担のことを「血圧」と言います。

健康な人であれば収縮期血圧が140mmHg未満、拡張期血圧が90mmHg未満ですが、この血圧は年齢や生活習慣などの影響で、徐々に上昇していきます。

この血圧のどちらか片方または両方が基準値を超えると「高血圧」と診断され、治療が必要なってしまうのです。

40歳以上の半分は高血圧

高血圧は血管に負担が過剰にかかりすぎてしまった状態で、血管の老化が急速に進んでしまい、動脈硬化、脳卒中、虚血性心疾患、腎不全、眼底出血など様々な病気を引き起こし、最悪の場合死に至ることもある、怖い病気です。

高血圧はこのように重篤な病気を引き起こす可能性がある一方で、私たちにとってとても身近な病気でもあります。

40歳～74歳までの男性の約60%、女性の約40%が高血圧だと言われており、実際に全国で約781万人もの人が高血圧のために治療を行っています。

高血圧の予防・改善はとても大変

これだけ多くの人が悩む高血圧ですが、予防や改善にはかなりの努力が必要です。

血管に負担をかからないようにするためには、血液の水分量を増えすぎないようにする必要があり、塩分を控えた食事が必須です。

また、肥満は高血圧を助長するため、体重やBMIが高めの場合には、ダイエットも必要になります。

さらに、血行を良くして血圧を下げるために、適度な運動を毎日続けていかなければなりません。

もちろん、タバコや過度な飲酒は禁物です。

これらの努力を続けても、高血圧改善の効果がすぐに出るわけではありません。

長い期間、毎日毎日継続して努力をし、やっと高血圧に効果を発揮し出します。

ですから、根気強く続ける努力と、めげない意志、そして家族のサポートがないと高血圧を治すことは出来ません。

一生続く高血圧治療薬

高血圧がずっと続いている場合、あるいは急激に高血圧が悪化した場合には、高血圧治療薬の服用が必要です。

この高血圧治療薬、一度始めるとなかなか辞めることが出来ません。

血圧は1日の中でも変動がありますし、高血圧は薬を飲んだからといって風邪のようにすぐ治るわけではありません。

また、高血圧を急激に下げると体に悪影響を及ぼすため、少しずつ高血圧治療薬の量や内容を調節しながら、長いスパンで治療を行っていきます。

そのため、高血圧治療薬を飲んでいるほとんどの方が、一生涯飲み続ける必要があります。

高血圧治療薬は毎日必ず服用しなければならず、飲み忘れは許されません。

万が一、飲み忘れにより、高血圧治療薬の血中濃度が下がってしまうと、たちまち高血圧の状態に戻ってしまうからです。